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映画とお人形ばかりで恐縮です

2012,2,19 PM10【映画録『ダンサーインザダーク』】

ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

レンタルショップで何度も見かけていながらなぜ敬遠していたのか。ジャケット裏のあらすじを見てもイマイチ惹かれなかったのが最大の原因だが(盲目のダンサーとかありきたりだわーなどと思っていた)、そんなことで今まで観ないままだったのが悔やまれてならない。あの日『レオン』のジャケットが空になっていたことは運命と言ってよいだろう。
ミュージカルのシーンは、初見では正直言って鬱陶しかった。だがそれがどうだ?中盤に入って(あれはまだしかし二度目だったか)ことごとくこちらを打ちのめしてくる。映像の秀逸さが、ではない。ミュージカルという、その存在そのものが、だ。切なさでもって。激しく愛おしく輝かんばかりの切なさでもって。
頼む、歌うな、なぜ諦めない?スクリーンのこちらから私は何度呼びかけたことか。愚問だと分かり切っていた、彼女にとっては!それでも耐え難かった。私はキャシーかジェフの立場にいた。そこから叫びだしたかった。とてもではないが、セルマの位置には立てなったし、だから、いや、だからといえど、絶望することは許されなかったから。
The Next to Last song... その歌を思い出すたび、私の中から言葉が消える。紡げば終わってしまう気がするからだろうか。永遠に終わらないものを前にして、けれど続きがどこにもないことを認めたくないからだろうか。