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case.728

映画とお人形ばかりで恐縮です

2012,2,19 PM10

キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)

キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)

ペイルライダー (ガガガ文庫)

ペイルライダー (ガガガ文庫)

前者、軽いミステリとしてはなかなか。時々主人公視点での思考がくどくど薀蓄臭いのを除けば文章も読みやすい。
かなり偏った意味で仕掛け重視なので、ネタバレが常に致命的になるのがある意味ネック。なので長々とレビューも書かない方がいいが、正直ラストのまとめ方はお粗末に過ぎると言っておきたい。書かれるべきドラマが全くと言っていいほど省略されているあたり、少なくとも私の嗜好とは致命的なズレがある。

後者、化け物。
裏表紙のあらすじだけ読むと、ディストピアっぽいクラスにうだつの上がらない男子が革命を起こす痛快青春ラノベ!みたいな印象を少なからず受けるが、ふたを開ければさてどうだ。すごく、ハードボイルドです……。
とりあえず中二病患者が読むと発狂するに違いない。一応主人公が高校生ということで、青臭い一面もあったりはするが、そういう点においてしっかりしていながら反面、童貞臭というものがこれっぽっちも漂ってこない。いわゆるヤリチン的な意味での非童貞ではないのだが、他にいい言葉がハードボイルドぐらいしか思いつかないのだ。こんなラノベがあってたまるものか!というものを見事に作り上げてしまった感じ。記号的な要素を指してもそう言えるが本質からそれである。前作『パニッシュメント』でもその傾向はあったがここまでではなかった。ここにきてトンガリ具合だけなら『ファンダ・メンダ・マウス』を抜いたかもしれない。恐るべし、江波光則。
どこかの高校の図書室にこっそり設置してみたいもんだね。男子高校生たちはいろいろと生々しい反応を見せてくれると思う。