読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

case.728

映画とお人形ばかりで恐縮です

2013,6,24 AM2 【映画録『スノーホワイト』】

スノーホワイト
原題:Snow White & the Huntsman
アメリカ・イギリス合作、2012年
監督/ルパート・サンダース、脚本/ホセイン・アミニ&イヴァン・ドーハーティ

ファンタジーかぶれがファンタジーを書いてはいけないとはよく思うこと。終盤が近づくにつれて急激に夢見がちとなり設定に飲まれ尻すぼみなってしまった感。女性に人気だったのはなんとなく納得できる。
ファンタジーの二次創作としても諸々のオマージュの仕方は上手かった。しかし脚本の魅力はそこに終始してしまっている。しかも現代的に解釈する路線かと思いきや、キスで目覚める奇跡は解釈なしでそのままで、ただ本命の男が王子でなかったという弱いひねりだけを頼りに強引かつ唐突に話をまとめにかかっていく。わりと説明が遅すぎて後付け臭くなってしまっている魔女の弱点なども微妙な印象。ありがちな記号で妙に複雑なシステムを汲みたがる感じはファンタジー好きの中学生のネタ帳を見ているようで無用な親近感すら覚える。しかも設定に終始したラストは非常にあっさり。ここまで映像技術やら何やらでクライマックスについての壮大な期待感を抱かせておきながらこのスケールダウンは肩透かし以外の何ものでもなかった。確かに魔女のコンディションを思えば仕方のないことだったのかもしれないが、その仕方のなさを力技や何やらでどうにかしてこそフィクションである。魔女があの大理石の兵団で物量戦をしかけ、スノーホワイトを一旦退けてもよかったではないか。聖域の妖精やあのスノーホワイトを見逃したトロルなどは明らかにそこへ駆けつける要員だろう。こういった発想がない夢見がちな脚本を書く人間を私はファンタジーかぶれと呼んでやまない。
しかしながら終盤を除けば強いてあげるほど悪い点はないし、あったとしても目に付くほどのものではない。アメリカのCG技術には目を見張るし、原作改変の具合も観ていて楽しいものだった。個人的には特に女王の悲壮感が嫌いではない。ただの悪役というわけではなくどうにも憐れまずにはいられない側面もあるというのは黄金律的だ。弟との関係もそれに一役買っている。ただし弟はスノーホワイトを手籠めにしようとしたので、それとこれとは違うとはいっても若干率直に言って面白くない部分がある。またこの弟くんの末路がラストの女王以上にあっさりしている。あのあたりから思うのは女王があまりにたいしたことなさすぎるんじゃないかという疑念だ。そもそも魔女としてのスペックが微妙にわかりづらいので、発揮するべきところで発揮してくれないと「恐ろしい力を持っている・・・!」とならず、ふわふわする。ファンタジーなんだから地に足がついてるわけないだろと笑うものは笑えばいい。詭弁を弄されたところで面白くないものが面白く見えてくるはずはないのだから。

あと、これは完全に個人的な趣味の問題かもしれないが、スノーホワイト役のクリステン・スチュワートってなんかはまり役の美人って感じではないよね。なんていうかアゴと前歯が。というより何より色気がない。甲冑姿は似合ったけど、そっちを狙ったってことでいいのかしら。でも正直女王ラヴェンナ役のシャーリーズ・セロンの方がオールマイティに美女って感じがして、セロンが老けるならともかく魔法で若さを保っているわけだからはっきり言って説得力が微妙。若々しいばかりが美しさではないだろうに、魔法の鏡とやらは何もわかっていない(憤慨)。

ちなみにこの記事を書いている時点ですでに『Dr.パルナルサスの鏡』を観てエロかわいいリリー・コールを堪能しているわけだが、なんとなくあちらに触れる前の仕込みとして本作ではチョイ役のリリーを↑で晒してみる(鬼畜外道)。これは登場して間もなく女王に若さを吸われているシーンだが、これ以降リリーは憐れ老け切ったおばあちゃんの姿で登場することととなってしまうのだ。(むしろこの後パルナルサスを観た自分としては同一人物であることに衝撃を禁じ得なかった)一応、女王が倒された後は奪われた若さが戻ってきたものと思われ、スノーホワイトを讃える民衆に紛れて元気な姿がうかがえるので、世のリリーファンは安心してほしい。

世のリリーファンは安心してほしい。

スノーホワイト [DVD]

スノーホワイト [DVD]