case.728

映画とお人形ばかりで恐縮です

2013,8,9 AM5 【映画録4『スケルトンキー』『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『TED』『永遠のこどもたち』『ヴィレッジ』】

続けざまに映画録の方も更新。

今回はというか、前回感想文おやすみ宣言しておいて何なのだけど、単純に自前のツイッターからログコピペだけに留めるというのも極端な話なので、適当に手を加えながら補足もしていこうと思う。時間開いてないから作品数も少ないし。

基本的にツイッターではみんなが見てるのでネタバレは自重するんだけれど、こっちではいつもどおりネタバレあるかもという前提で行きます。
まがりなりにもオススメ記事のつもりなので、肝心なところは隠したりしますけどね。

7月31日『スケルトンキー』

  • とても綺麗にまとまっててなかなかに面白みもあるのだけれど、同時にすごく「映画製品」とか「ライトムービー」というか、「シンプルシリーズ THE ◯◯」な印象。昨今期待されないジャンルでこの高い完成度を叩きだしながらの劇場未公開品なので掘り出し物と言われるのはわかる。
  • あと全然怖くない。宣伝はホラーっぽいけど演出とかで怖がらせる気はまったくなさそう(後味はくっそ悪い)。面白さはサスペンス的な方面にあるので、映像で怖いのが苦手な人にもお勧めはできる。
  • 重要な装置にしてる「フードゥー(呪術)」は面白い。プラスの効果もマイナスの効果も信じる者にはあって、信じない者にはない。信じるべきでないと意識すればするほどその存在を信じていることになるっていうジレンマというかパラドックスがキーとして働くあたりはオカルト系のミステリ感が強くていい。わりとライトノベルみたいなんじゃないかな。
  • 一応「呪われた館系」の中ではかなり面白い方なんじゃなかろうか。と思ったけど同系をあまり知らないだけだ。アザーズはよかった。
  • よく考えてなかったけどじゃあ見終わった後で火あぶりにされた人たちのことを考え直すと怖ろしいことがわかった。このへんはやっぱり観せ方をあざとくしておいてほしかった感じ。こういうところで妙にお上品なのだけはうれしくない。

8月1日『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

  • やはり痛ましい事件で人が死んでという背景がある以上、切なくて涙腺に来るのは仕方ない。ただ、背景の割にシナリオがやさしすぎる。こういうチャリティー的な雰囲気が好きな人は好きだろうが、自分はフワーッと飛んでいったのについていけず、地上に置いてけぼりを食った感じ。じいさんが去ってしまうまではフィクションとして許せた。
  • 生々しすぎる少年のキャラもまた、厳しさの足りない筋書きと釣り合っていない感。まあこの少年に理解を持つのはわりとハードル高いか(それでも『グロリア』に出てくる理不尽な糞餓鬼と呼ばざるを得ないようなものではないと思う)。
  • ググるとアスペのミスリードを鵜呑みにしてる感想ばかりでうんざりする。どう見てもアスペではない。しいて言うなら扱いづらい人格を病気ということにして安心したがる人間が飛びつくタイプの「アスペ」だろう。非常に典型的だ。すぐ病院で検査を受けさせたがるのはアメリカらしいけど。
  • ただ、何も知らない人間がアスペルガー症候群の具体的なイメージを持つための手助けや糸口としてはかなり優秀な部類なのも確か。私が嫌なのは、こういうのを見て似たような人を指差し、アスペっぽい、もしかしたら彼は/自分はアスペなんじゃないか、と安易に疑いを持つきっかけになってしまうことの方。素人知識の一人歩きや暴想が怖いのだ。
  • 気になるところは多いのだが、そもそも作品の目的が9・11で受けた傷を癒すということにあるなら、求める者にとっては充分素晴らしい映画だと思う。少なくともお涙ちょうだいのチャリティーとは違う。

8月3日『TED』

  • 吹き替えで観て大正解。吹き替え役がどうのという話になりがちだが、そもそも訳がノリノリでなかなかにキレてる。くまもんなんかは絶妙に気が利いていた。
  • そりゃあ、草吸いながらしゃべるテディベアと息ぴったりで、エッジの効いた喋りで混ぜっ返すのが好きで、フラッシュ!アアー!のマニアで、雷が怖くて眠れない30過ぎ薄給男と、四年も付き合える女性がだよ、男に理解がなくて度量の狭いヒステリックな、そのへんの映画のヒロインと同じわけがないじゃん!
  • と文字にするとなんだかロリーさんが口のうまいマダオに騙されていることに薄々気づきながらもずるずる貢ぎ続けちゃってる系女子にも見えてきた。こんなはずでは。
  • ↓予告編※R-15注意

  • 下品なコメディとあなどるなかれ、とは言っておきたい。史上最高の出来と映画評論家が称えたのは「コメディ映画脚本」としてだ。まあそんな大きく出たところの真偽はともかくも、話のテンポは純粋なコメディにしてはわりと斬新な部類。なにしろ仲たがいした者同士が意地を張り合うせいで事態が解決せず悪化を招くなどいうもはやばかみたいに使い古された手が、真っ向からひっくり返されてさらにその上を行くという、わりと神技を成し遂げていたりするのだ。とにかく展開における平和ボケ頼みのイライラ要素が少ない。それで台詞がキレてるんだから、快適でないわけがない。
  • 序盤の釘宮ボイスで全編やってほしかったみたいな声を小耳にはさんだがそれはファッキンナンセンス。ネタとしては面白いが二時間持たない上に、結局作品としての深みを殺すだけの蛮行でしかない。良質のコメディとは盲目的なギャグやジョークなどではないからだ。
  • ていうか、何も知らない状態で観たら「声変わりしちまった!?」って充分ショッキングなジョークになっているとも思うんだが。

8月6日『永遠のこどもたち

  • わりとつらいだけのお話なんだけど、なぜか雰囲気よくまとまっているのがいい意味で気持ち悪い。そのへんもだけど、自分の中ではどことなくサイレントヒルを彷彿とさせられた。そういうシーンもいくつかある。総指揮ギレルモのパンラビほどの毒はないので心に残りそうにはないのだけれど、なかなか魅せてくれる映画。
  • ていうか監督と製作総指揮が違う場合の両者の持ち幅ってどうなってるのかよくわからない。ギレルモらしさは少なかったようにも思うけれど。
  • しかしこの手の映画で子供や賢そうな人が愚かしいのは正直もう古くないだろうか。「錯乱して見間違えたんでしょう」とか「(心霊学者を指して)彼らは無償よ。今はね」とか当事者の前で普通に言っちゃう心理学者が出てくる映画は以後発禁にしていい。たとえ幻覚という理解でも妻にとっては現実だという理解にまで至らずただ目の前の問題を遠ざけようとするだけの夫も出てこなくていい。できれば口下手系の登場人物も、すでにラブコメアニメの難聴系ばりに古典的でうんざりするのでよしてほしい。様式美と言えば聞こえはいいのだが、それこそコテッコテな感じがうざったく思える。
  • 綺麗にまとまってるのがメタ的な意味ではあんまり面白くないのも、おそらく登場人物たちの愚かしさのせい。何か切ない雰囲気になって終わるのだけれど、結局因果応報や自業自得が多くそれまでの経緯としてあって、「この結果はどうしようもなかった」という感じが薄い。子どもには賢さを要求するのは酷かもしれないが、わりと「こんな身勝手な子供は死んで当然だ」という潔癖な自分も少なからずあるせいで、結末を見てもあまり心が痛まなかった。単純に感情移入しづらいと言い換えてもいい。ホラーとして中途半端でなければ、感情移入できなくてもいいのだと考え直せることもあるのだが、そっちに特化させて面白い作品じゃないしなあ。
  • どうでもいいけど孤児院の子供の一人に「ギレルモ」がいるのは、まあ、わざとよね?

8月8日『ヴィレッジ』

  • わりと全体的に見ても展開も設定も無茶苦茶だけど、前半のダークファンタジーっぽい雰囲気が好き。そのせいで後半の拍子抜け感が嫌といえば嫌かな。どんでん返しと言えば聞こえはいいけれど、これは拍子抜けの部類。でも後半で見えてくるテーマが嫌いじゃないので、結局好きか嫌いかで悩むところ。
  • 誰もが思いつくけど誰もやらない系の脚本なのよね。この世に一作くらいはあっていいと、わりと好意的に思える作品なんだけれど、これ一作あればもう絶対に他はいらないって感じもする。しかも実はそのただ一作の座はこれでなくてもよさそうっていう。
  • シックスセンスの監督と聞いても、うーん…。まああの作品も執拗に怖がらせるタイプのホラーではなかったし。だがそれにしたって予告編の納涼詐欺がひどい。しかし明らかに予告のホラー押しなダークファンタジー路線のが面白そうだったというジレンマ。

  • テーマは嫌いではないと書いた矢先だけれど、その「無垢」というやつはわりと露骨に主張してみても色合いが薄くて、おかげで若干「結局何が言いたかったの?」って感じはある。そもそもこれで「無垢」は表現できているんだろうか。その価値は問えているような気はするけれど、と考えているとやはり好きか嫌いかわからなくなってくる。理解するにはおそらくあの年長者たちの視線に寄り添わなくてはいけないのだろう。
  • 基本的に「無垢」というテーマやモチーフは今さら感がすごいとは思う。この作品は2004年だからいいけど、少なくとももう現代では真面目に扱っても面白くないだろう。ゼロというのは上からも下からもどん詰まりだからか、もはや掘り尽くされた感じがする。
  • まあ、単純に便利すぎるというか、お手軽すぎるというのもあるか。原則、というのも変な言い方だが、変則的なうまい捻りがないとたちまち保護の対象という一辺倒な扱いになりがちだし。
  • 攻める無垢って何だろう。
  • それはそうとブライス・D・ハワードのピチピチ20代のボブソバージュが異常に可愛い。正面から顔だけ見る分にはそれほど好みでもないのだけれど、みんなが髪を括ってる中でひとりだけあの髪型でしかも赤っぽい糖蜜色で、腰だけ絞った近世風のドレスなのにボディラインがはっきりしてて、人ごみの中にいても輝いているかのように目立つ。集会でルシアスが森に入ったことを打ち明けるシーンで、ひときわ目立つ青いドレスで振り返ってる絵は遠いのにすごかった。そう、バストアップよりむしろ全身が見えているときの方が彼女は魅力的だ。髪で隠れる横顔をもまたステキだが。

最後これブライスがかわいいだけじゃない?

TEDは自分で借りたのではなく後輩が借りてきたのを別の後輩宅で観ただけなので、借りてきた4本のうち3本がホラーということになる。
別段納涼がしたいわけではないのだが(実際できてはいないし)、なぜか昨今観たいものとして頭の中でホラーが挙がるのだ。
ここのところ漫画もまったく買っていない(後輩からジョジョを借りて読んでいるだけ)ので、シリアス系の刺激に飢えているのかもしれない。


ホラーといえば、アローン・イン・ザ・ダークはクリアした。
びっくりするほどクソゲーだった。泣いた。

自分はシステムがいくらか悪くてもストーリーが悪くなければすべて許してしまうし、演出やなんかでもコロッと騙されてしまうユルゲーマーだが、そっち方面で観る価値すらないとなってしまうとそれこそシステム面への不満が噴出することになる。
いや、クソゲークソゲーと散々言われている聖剣伝説4すら楽しんだ自分だから多少のことではシステム面からのフラストレーションは溜まらない。
その自分が、操作感から始まりアイテムを組み合わせる「自由度(・ω<)ミ☆」みたいな仕様に詐欺っぽさを覚え車の乗り降りにひたすらイライラした記憶しかないというのはさすがに酷すぎるのではなかろうか。

うーん、高難易度ゲーとして楽しめと言われてできるかどうか。
ダクソをやった後(ホントは今グウィン挑戦中だけど)だと、難易度が高いってそういうことじゃあないんじゃないかと思うのだけれど。もうクリア=処理という感じが強くしたし。それはある意味正しく「ゲーム」なのかもしれないが。

一つだけ譲れないのは、あのBGMのセンスだけはない、ということ。


そんなことを思いながらダクソのラスボ打倒に少しずつ近づきつつ、新たにニーアレプリカントを後輩から借りてきた。
本当は魔女と百騎兵がやりたいのだが、そちらは家計が苦しいので致し方ない。楽天ポイントが溜まるのを待とう。

ニーアはニーアでいつかやろうと決めてたし。

脚本はほんと、最近のスクエニクオリティだなあ……。