2013,10,15 AM2 【映画録9『ポゼッション』『少年と自転車』『HK 変態仮面』『クロユリ団地』『カウボーイ&エイリアン』】
9月・10月合併号、後編
全5本。
ていうか、ちょうどこっから10月分なんですよね。
お品書き
- ポゼッション
- 少年と自転車
- HK 変態仮面
- クロユリ団地
- カウボーイ&エイリアン
上手い具合にDISCUSの入会無料キャンペーンが終わって月更新されたところからです。
なので新作や準新作が続いてます。
HKだけ友人宅で観たやつです。
いつもどおり、ネタバレは「もしもあったらごめんなさい」でお送り致します。
10月5日『ポゼッション』
- 宣伝に煽られすぎました。そんなふうに身構えすぎた感じがしないでもないです。
- 悪魔憑きものとしては優秀な作品だと思います。ただ、普通にホラーとして期待して観るには脚本がおっそろしくステレオタイプです。演出もあんまりこってりしてないので、全体的な印象も軽め。憑かれ役である子役・ナターシャの演技だけは、それだけでこの映画を観られるくらいよかったです。
- ライミ関わってるうえに、登場する悪魔がラミアと近い関係を持つのはやはり何かあるのでしょうかと好奇心。悪魔語(?)とか微妙に『スペル』のあのおばあちゃんの呪文と似てたようなきもしますし。さすがにスペルのあの強烈な個性はないですけど。こう意識しちゃうのもやっぱり宣伝に流されすぎなんでしょうかね。
- 実話を元にしたって前提に対しては完全に開き直っちゃってて、ホラーのノンフィクション性「これが実話!?それは怖い!!」をかたくなに求めると間違いなくぐんにょりはする。あくまで《発想の元にした》くらいの意識に留めておきましょう。
- まあそういう点は意識する以前にツッコみたければツッコめるところはいくらでも。念力強すぎるのに肝心なところで使わないのはなぜかとか。悪魔の手続きはどうにも七面倒くさいところに気を取られて、怖さを堪能するには気を散らされがちですね。自分はもうMRIできゃっきゃと興奮してたクチですが。悪ノリ以外のなにものでもないネタでしたが英断だったと思います(迫真)
10月8日『少年と自転車』
- あの頃。
- 世界が自分に優しくないとおかしいような気がしていたあの頃。そうでないことがわかりそうになると気が狂いそうになっていたあの頃。自分を愛することに必死で、他人の痛みを知らなかったあの頃。
- あの頃から、進んでますか?
- 安定して「痛い」ダルデンヌ兄弟の最新作。観てて目がすわってくるのは眠いからじゃありません。個人的に今作はテーマもクリーンヒットです。
- もちろん少年の境遇は普遍的なものとは言えないかもしれません。しかし、彼の境遇が彼から引き出したものはすべてとても普遍的なものだと思うのです。
- ドラマチックな悲劇を利用してこないのはあいかわらずすごいでしょう。そろそろ観方がわかってきたんでしょうか。脚本力の高さも見えてきたようです。
- まあまだ『ある子供』『ロゼッタ』と三本目で言うのも何ですけど。同じく何といえば、珍しい、とも感じましたね。複数人にスポットが当たってたので。前二本のように、カメラがひとりの人間を執拗に追いかけるということはしていないません。
- 脚本も同様に比較してわかりやすい方なので、全体的に観やすい印象があったンだと思います。その分個性では劣りますね。今回はほんの少しですが音楽も使っています。
- 許されない過去を増やして、復讐をその身に受け止めて、ひとは大きくなっていくのでしょうか。「痛い」ですね。
10月12日『HK 変態仮面』
- 友人宅にて観賞。今月の正統派クソワロタ。同じく友人宅であいまいみーを観たときも笑い転げてたけどそれと同じくらい面白おかしすぎた。
- うーん、変態だ。
- う〜ん、実に変態的だ。
- 「俺は……ノーマルだったのか……!?(愕然)」
- じゃあ俺たちノーマルはどうすればいいんだよ!(憤慨)
- 基本的にはB級のノリを逆手にとってひたすらすっとぼけて予想のど真ん中を直球で突き抜けていくバカ映画だが、しかし今作をそれだけではない、必見と言えるものに高く打ちあげているのが、安田顕によるニセ変態仮面・戸渡の怪演でしょう。作品の内的にも外的にももういっそ清々しいのかたまりなんですけど、もう清々しさすらも突き抜けて新宇宙へ行ってしまっていました。そこだけ尺が長いんですよ、変態的に。もはや作品そのものが変態なんです。
- ちなみに脚本はまんま某蜘蛛男映画のシリーズ3本分です。はい、それすらもネタです。これ見よがしにビルの間を荒縄で飛ぶ安っぽいCGのみのシーンがあったりします。
- どこを見てもネタ、もう存在そのものがネタ、というバカ映画ってわりと多いんですけど、数だけは揃っているナンセンスギャグや分をわきまえないシュールギャグが雑多に散りばめられいるだけで、真面目に作ってないんだろうなー、という印象を受けるものがほとんどです。それに対し本作は、一本大きな柱みたいなのがしっかり立ってて、ギャグやコメディがそこに終始して一貫性を得ているというのも面白さの要因だったと思います。変態は一本すじが通っていなくては成り立たないということなのでしょうか。変態は一本すじが通っていなくては成り立たないということなのでしょうか。
10月14日『クロユリ団地』
- 脚本が面白すぎるせいで全然怖くないというジレンマ。なんだこれは(汗
- 幽霊系ホラーではなく「悪魔憑きモノ」してよくできてしまっているという不具合があります。なかなか手堅い良作のはずなのに、これは邦ホラーとのミスマッチ感のせいなのでしょうか、とても整ったフォームで暴投を見せられた気分です。
- 先に自分の先入観として、和的な「幽霊」と西洋の「悪魔」の違いといえば、前者はより動物的で暴力的、後者は狡猾で陰険で知性がある、というイメージがあります。本作は幽霊、悪霊ですが、実態はあからさまに後者です。
- しかも精神攻撃が基本の「悪魔」が、わりとすでに精神的に満身創痍な虚弱者をいたぶるという圧倒的な「純悪」の構図は、むしろ悪魔的に見て「イカシてる」と捉えられてしまい、展開にウキウキしてしまいます。おかげで全然怖くないんですよね。って、ちょっと個人的な嗜好の問題が大きいですか?
- まあ、あまり映像で怖がらせには来てなかったというのもあります。オチ、というかクライマックスでの失速と尻切れトンボ感も痛いです。あったはずのトゥルーエンドを回避してのサブエンディングみたいな。
- 中盤までの流れとか雰囲気とか、いわゆるお膳立ての部分がいい分、こう決定力というか肝心なところでことごとく萎えられたのがどうにもやるせないです。よく人に言ってますけど、理不尽を描くのと描き方が理不尽なのは違うと思ってます。
- ちなみに、団地ってタイトルになってますけど、中心になってる二軒にしかほとんどスポットが当たらないせいで、スケールに関する肩すかし感もないではありません。呪怨みたいなオムニバス形式が面白かったんじゃないかとか。少なくとも予告編では「異常な団地」を映像的に表現しようとしているように見えたような……。
10月14日『カウボーイ&エイリアン』
- タイトルのネタ感に反し、普通にカッコよくて面白かった、ハリウッド微ハードボイルド。本当の射撃の腕前とは使う銃に左右されないのだァー。
- 端役と思ってたのがやたら熱いシーン持っていったりしてビビります。「あなたと一緒に戦に行くのが夢でした」なぜおまえが泣かせに来るのかと。これ、主人公は半分ボスですよね。
- ヒロインは置き去りにしても帽子は拾う(キリッ
- SF成分がもっとほしかったかな、とも思います。金(Gold)を何に使うんだとか、宇宙人が殺戮したがる動機と目的が直結しないからそのへんとかも、取ってつけたように語ってくれるだけでもだいぶ満足できたんじゃないでしょうか。
- 固かったり柔らかかったりするエイリアンさん。中の人が最終兵器(しかも動きが遅い上に弱点さらすやや産廃気味の技)っぽかったですけどわりと舐めプが好きなんですかね。その中の人は結局ショタいじりだけで本番なしだったし。基本的にエイリアンの体の構造って気になります。
- 死骸から腕輪もぎ取ってアイアンマンごっこはダメだったのかな。腕輪が解除されないのか。
- ヒロインが奥さんと似てたのは偶然、だよな、たぶん。そのせいでぎりぎりまでハニトラ疑惑が。あと復活したメカニズムとかも軽く付け加えてくれるとSFがはかどったのに。最後も復活するかと思ってました(^^;)。
うー、終わった。思ったより時間かかりませんでしたけど。
さすがに中編ぐらいからずっと雑で恥ずかしいですね。
一度見た人にしか伝わらないけれどまだ観てない人の興味はそそる。
そういう記事が書けたらいいなといつも思っていますが、今日はまったくもってさっぱりです。
月一だとこう溜めすぎたとき怖いので、月2回あるかないかぐらいの意識にした方がいいのかもしれません。
また忙しいのが続いてますから、たかが週2本のサイクルもそれなりに危うくなってきた気がします。
ていうか遠出した先のTSUTAYAがそこの近所のGAOと価格競争の末か知りませんが
おっそろしい低価格でやってて、もうなんか、
ちょっとアホらしくなったりならなかったり。
さすがにそこで借りるのが現実的ではない時点で、本気でがっかりはしなかったんですけどね。
実家の近所にもTSUTAYAあるけど、あんなに安くないぞ…(・x・`;)