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case.728

映画とお人形ばかりで恐縮です

映画録68『セール・オブ・ザ・デッド』

トッキューオーロボは「企画がトッキューで作ったのかよ!(゚Д゚)」と散々馬鹿にしていたんですが、近くで見ていると何か異様に愛着の湧くフォルムで、関節も曲がらないし倒れてバラバラになるとか、なんか、すごく……おや、いつのまにか欲しいものリストが……。

 

ノーパソは生き返ったようで生き返ってない微妙な感じです。ゾンビかな?

電気屋さんいわく熱排気の問題だけで、内部清掃だけで済んだんですけど、持ち帰って電源つけてみたら1分で落ちたんですよね。

電気屋さんの店内はクーラーキンキンですけど、うちは夏は除湿だけでしのぐ派なもので。また経年でHDD自体へたってきてもいるんでしょうか。4年ものですし。

とりあえず冷房に切り替えて扇風機当てながらなんとかリカバリディスク作成しました。作成中にまた一回落ちて空のDVD-RWが一枚お釈迦になりましたけど。PCクーラー導入するとして、これはしかしまだ不安だ。

 

ところでPC内部清掃だけで4000円強持っていかれるんですね。丁度Amazonトッキューオーが買える額ですよ。いやパソコンのが大事ですけどそりゃあ……。

 

 

※case.728の映画録は、5段落前後でまとめる既観賞者向けの参考記事を目指しています。ネタバレ・解説記事ではありませんが、物語の中核には触れているので未観賞の方はご注意ください。

 

7月24日 セール・オブ・ザ・デッド

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「アンデッドは最高だぜ」

 

1.死体“を”盗む墓荒らし

 

墓荒らしといえば城之内くんすぐに思い浮かぶのはピラミッドとかの話で、王様の遺品や死後の世界へ持っていくものとして財宝なんかが収められているのを盗み出すのが目的なんですよね。ただしピラミッドの中は基本的に迷宮かつ罠だらけで墓荒らしは命がけ。そんなスリリングなドエライものを狙わずに、一般市民の棺を掘り出して一緒に入ってる三途の川の渡し賃やら長くつけてた腕時計やらお気に入りのマグカップやら万年筆やらを盗っていくのも墓荒らしです。これがしかし手堅い職業だったわけでもなく、墓荒らしの罪は生きてる人間から盗むよりも往々にして重かったそうで。埋葬や死っていうのはだいたい信仰に直接繋がりますからね。神様にツバ吐いたら国や時代によってはそりゃ死刑ですよ、即。

それでつまり要するに、お墓からというのはもちろん、死体“から”盗むのが墓荒らしの主なイメージ。しかし世の中には死体“を”盗む墓荒らしもいたそうです。

近世ヨーロッパの医学会で目覚ましい発展を遂げたのが解剖学。だいたいその頃の検体といえば解剖されても仕方ないような凶悪犯罪を犯した一部の死刑囚とかだったんですが、医療系の学校なんかもその頃から増え始めて、だいたいどこでも解剖学をするもんですから死体が足りなくなったのだとか(冷蔵庫もない時代です)。それで業界が裏ルートからも死体を仕入れるようになったんですが、その裏ルートの売人というのが“死体の盗掘”専門の墓荒らしだったという話です*1

死体盗掘人は死体を売ります。埋葬されていた金品には手をつけません。そっちは重罰。でも死体だけなら軽罪。医学の発展のために御上も結構目をつぶっていたとかいなかったとか。

お墓の下に人の形をした肉が埋まっていたらそれは死体です。売ります。腐っていても売りますが、なるべく新鮮なものの方が高く売れます。では、“動く死体”はどうでしょうか?生き返ったのではありません。唸り声をあげて襲いかかってきます。それから、人の形はしているけれど人ではないものの死体、とか。長く死体掘りを続けてたくさんの死体を掘っていると、いろんな死体が出てくるんだそうです。あなたはどんな死体がご入り用?

 

 

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2.あらすじ ~死体盗掘人たちの奇妙な日常~

 

死体盗掘人のウィリー(ラリー・フェセンデン)が殺人の罪でギロチン台に送られた。

共犯として投獄された彼の相棒・アーサー(ドミニク・モナハン)も、明日にはウィリーと同じ運命を辿る。彼は濡れ衣だと主張しているが、もう裁判は終わった後だ。せめて最期の言葉を聞きに来た教会の使いの神父には聞いてもらおうと、「自分たちは死体は盗むが人は殺さない」と訴えてみる。するとそのガラの悪そうな神父は懐から酒を取り出し、こう言った。「君たちの仕事の話を聞かせてくれ」酒と引き換えに応じたアーサーは語り出すが、それらは“動く死体”にまつわる世にも奇妙な体験談の数々だった…。

 

 

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3.ユルふわ・オブ・ザ・デッド(笑)

 

オブ・ザ・デッド系にしてはパニック系のホラーでもなく、お約束のB・Z級の残念なお笑い種でもなく、異色系ブラックコメディという二重の意味での異色作(原題は『I SELL THE DEAD』ですが)。死体盗掘人がゾンビを偶然ゾンビを捕まえて、売りに出してみたらこれがバカ売れ!なんか感染とかでみんな大変なことになってるけどこっちゃウッハウハ――てな具合にぶっ飛んだハチャメチャコメディかなと思っていたのですが、実際は、もっと淡々としてほんわかしたユル系コメディでした。それが逆にブラックといえばブラックですが、その前に概ねくだらないけどクスッと笑えるような小噺の詰め合わせみたいな内容でしたね。爆笑を期待すると眠くなること必至。

基本的には死体盗掘人のウィリーの弟子になったアーサーの少年時代から、二人の仕事中のエピソードを時系列順に一つ一つ、現在のアーサーの昔語りとして紹介していくという構成。アーサー自身が奇人変人の類には見えませんから、現代パートはさしてテンションが上がらないという寸法です。過去編のエピソードも一つ一つどこかとぼけていてほどほどに馬鹿馬鹿しい感じ。

あれですね、作品同士の関係はありませんが今第二期放送している『スペースダンディ』の、あのくだらないユルぅ~い感じと雰囲気は似てます。牧歌的と言ってもいいくらい。第一期のゾンビ回は僕見逃したんですけどねえ。聞いた話だけだとそっちの方が面白いかもですねえ(笑)

 

 

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4.ファラオ骸骨に負けてしまう

 

雰囲気はそういうものだと分かってしまえば愉しめるんですが、いかんせん映画の尺の中で小噺集をやろうとするとエピソードが絞られてきてしまいます。

実態としては、ゾンビを掘ったり売ったりしていろいろあったよ、というよりも、いろんなゾンビその他があったよ、というノリだったはずなのですが、そこのところがどうもバリエーション不足&パンチ力不足。同じくだらないノリでゾンビに近いネタでよければ、リュック・ベッソンのあの『アデル』の方が面白かったぐらい。

オチも綺麗に座布団一枚って感じではあるんですが、むしろあまりにお手本のような伏線回収で、あえて悪く言えば「教科書通り」という印象。全体的にもわりとぶっ飛んでなかったり、特筆するほど不謹慎でなかったりで、なんというかとても“大人しい”コメディ映画でした。

 

 

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5.ゾンビも僕も空腹

 

死体の流通はすべてアンダーグラウンドで処理されてきたから、ゾンビモノでお約束の感染流出もなかった、とのことのようです*2。そりゃあ盛り上がらんよね(´・ω・`)

クライマックスはなぜか白い砂浜の離れ小島でゾンビと商売敵との三つどもえ展開。ここのところはさすがにアホっぽくてよかったですが、それまでと一変してやたら白い背景と明るい画面がやけにシュール。よく取ればシュール。悪く取れば雰囲気ぶち壊し。無人島なので被害が飛び火する的な“おいしい”展開も起こり得ません。僕は「ゾンビはこうでなきゃ」とか、「走るのや噛みつき感染は不合理だ」「なんか違う」とかの一部の風潮がとにかくめんどくさいので嫌いだとお断りするような人間ですけど、それでも脚本的には感染ネタだけは拾わないとゾンビが出てくる作品っていろいろ微妙になるのかなと思わされました。その他の盛り上げ方でうまくいくのは稀少なようです。

 

 

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*1:参考:死体売買 - Wikipedia

*2:ラストはその兆候を思わせるものだったけれど、とにかく劇中ではなし。