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case.728

映画とお人形ばかりで恐縮です

映画録・番外(8月末)

映画

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今日はこの2か月くらいに観た映画についての簡易版映画録集。3回か4回くらいに分けて更新します。

目次



ドルシネ企画を始めたのを期に「映画を一つ観るごとに必ず感想を書く」ではなく「感想を書きたい作品を取り上げる」に方針を下げたのですが、観たものを観てない風に済ませてしまうのもブログ的にどうかと思ったので f(^^;)*1 かつてツイッターで垂れ流していた頃を思い出しつつ、「100字前後×5段落まで」でまとめた感想を添えていきます。いつも自分名義ではつけない個人的評価(オススメ度)も今日はわかりやすくするためにつける方向で。

※ネタバレは抑えめですが、物語の核心に触れていることはありますので、要注意。


オススメ度早見(説明はあくまで一例)
・★★★★★…… 俄然オススメ。必見。人を選ぶことはあるだろうけど一度は観ておくべき。
・★★★★☆…… 強く推すわけではないけど誰でも存分に楽しめたりする。いい完成度と満足度。
・★★★☆☆…… 完成度はそこそこ。でも充分楽しんで観られる。
・★★☆☆☆…… ちょっと惜しかったり、好みが合えば楽しめるかもしれなかったり。
・★☆☆☆☆…… 雑談にも挙がらない。人にオススメする機会はなさそう。


8月21日『ホビット 竜に奪われた王国

原題:The Hobbit: The Desolation of Smaug
2013年/アメリカ/161分/映倫:G
(あらすじ)魔法使いガンダルフやトーリン・オーケンシールド率いる13人のドワーフとともに、かつてのドワーフの王国エレボールを取り戻すため冒険を続けるホビット族の青年ビルボ・バギンズは、姿を変えることができる獣人ビヨルンや、巨大な蜘蛛の群れにも遭遇しながらも、やがて目指す「はぐれ山」へとたどり着くが……。(映画.comより)

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オススメ度:★★★☆☆

  • この作品単体では正直2つと言いたいところですが、3部作の2番目という微妙な立場を考慮すると★3つ。映像的な見応えはバツグンです。
  • 1作目がどこで終わったか忘れちゃってましたけど、登場人物を覚えていれば十分話は追えます。それより尻切れトンボぶりの方がすごい。ハリポタみたいに「大きな話を進めながら1作で完結する小さな話」がほぼなくて「来週もまた見てね!」って感じ。しかも来週が待ち遠しい終わらせ方。来週が遠い。
  • ドワーフsはそもそも数が多いので一人一人の取り分は少ないけれど、各人印象には結構残ります。お気に入りはボンブール。樽アーマーからの回転切りでかなり笑った。
  • ていうかそのボンブール大活躍もある「樽船渓流下り」のシーンが映像的にも一番すごい。フルCGとは聞きましたがそれでもカメラワークが変態に思える。CG技術そのものがもう全体的に変態レベルですけど。スクリーンで観たかったなあ。
  • おかえりレゴラスさん。この頃は結構粋がってたのね。どうしても近接武器に見えてくる弓矢の腕前はさすが。



8月22日『42 世界を変えた男』

原題:42
2013年/アメリカ/128分/映倫:G
(あらすじ)1947年、ブルックリン・ドジャースGMだったリッキーは周囲の反対を押し切り、ロンビンソンとメジャー契約を結ぶ。2人はファンやマスコミ、チームメイトからも誹謗中傷を浴びせられるが、自制心を貫き通し、プレーに徹するロビンソンの姿勢に、次第に周囲の人々の心もひとつになっていく。(映画.comより)

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オススメ度:★★★☆☆

  • わりと最初から最後までクライマックス。リッキーが気持ちのいい理解者キャラだったためでしょう。
  • ほとんど伝記なので激しいドラマ性やカタルシスを求めてしまうと肩透かしを食らいます。またいい方向に動き始めていた時代の話なので、決定的につまづいたりするほどの逆境もありません。
  • それでも白人しかいないリーグの白人チームにただ一人の黒人という状況の孤独感はかなりつらいとわかる見せ方。スタンド裏の通路でロビンソンが一人でブチ切れるシーンの説得力もなかなか。
  • 実際のロビンソン氏はエピソードを調べる限り、そもそも冷静で頭のいい人だった様子。晩年は身の周りがかなりごたごたしたみたいですが。しかも映画で描かれた部分の後にかなり嫌な事件が。
  • 差別問題の題材としても悪くないのではないかと。大人たちに流されざるを得ない子供の存在など。ピーウィーのファンだったあの少年のその後とかすごく気になります。やはり伝記なので都合よくエピソードがつながらないのは残念なところ。


42 ~世界を変えた男~ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)

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8月27日『エビデンス 第6地区』

原題:EVIDENCE
2011年/アメリカ/78分/映倫:不明
(あらすじ)映画学校のライアンは、彼の友人ブレットのヒューマン・ドキュメンタリー映画を撮ろうと、彼と女友達2人を誘い、RVレンタカーを借りてロス郊外の山奥へキャンプへと連れ出した。キャンプ初体験で慣れぬアウトドアライフにブレットは不満をいうが、その様子を茶化して楽しむライアン。が、その夜森の奥から聞こえる不気味な呻き声を耳にする。さらには、翌日渓谷で謎の黒い生物を目撃。不安に駆られ始めたブレット達は、もう一晩泊ったら帰ろうと言い出すが、その晩、彼らのテントを謎の野獣が襲ってきた。慌てた4人は、車に逃げ込みその晩は事なきを得るが、翌朝目を覚ますとブレットの姿が無い。ブレットの帰りを待つ3人であったが、夜を迎え事態は急変する。(AmazonのDVD商品ページより)

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オススメ度:★★★★☆

  • POVホラーが好き・興味があるという人には一度は観ておいてほしい意欲的作品。創作に対する挑戦的意向が強いので万人向けとは言えませんが、僕はこの一直線な感じがとにかく好きです。
  • 脚本的な内容そのものは清く正しく凡庸でテンプレートなPOVホラー。VHSシンドロームの1作に収めるにも個性が足りないくらいのもの。それで導入が下手というわけではありませんが(充分普通ですが)、このジャンルに慣れていると盛り上がるのを待たなくてはいけないのはしょうがありません。
  • すごいのはもうすでに各所で言われていますがやはり後半約30分の逃走シーン。POV史上最長と謳われる長回しシーンは伊達ではありません。いたずらに長回しにしているのではなく、とにかく走る!逃げる!カメラ操作してる余裕なんて微塵もない逃走。走ってんだから当たり前だろ!って声の聞こえてきそうな手ブレぶりからもその妥協のなさが伝わってきます。
  • “撮影”におけるリアリティのみがひたむきに追究されているため、視聴者にまったくやさしくないのはご愛嬌。ある意味当然。それにしたって本作で映像酔いしない人はほとんどいないだろうというレベルの「エビデンス(証拠映像)」に仕上がっているので、その点はちょっと用意が要ります。
  • キャラクターも魅力的じゃないし、ってこの手の作品に登場人物の魅力を求めるのは贅沢どころか分別のないわがままというもの。世間知らずの学生が阿呆でお子様なのもこのくらいなら全然かわいい方です。この点にヒステリックな人を妙によく見かける。


エビデンス 第6地区 [DVD]

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8月28日『コン・ティキ』

原題:Kon-Tiki
2012年/イギリス・ノルウェーデンマーク・ドイツ合作/113分/映倫:G
(あらすじ)1947年、ポリネシアのファツヒバ島で現地民と暮らしながら研究を続けていたノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダールは、「ポリネシア人の祖先が南米から海を渡ってきた」という学説を発表するが、誰にも信じてもらえない。そこでトールは、自説を証明してみせるため、1500年前と同じ材料や方法でいかだを作り、5人の仲間とともに風と波を頼りに8000キロにわたる太平洋横断に挑む。(映画.comより)

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オススメ度:★★☆☆☆

  • ★の数は個人的に人にオススメしたいかどうかなので作品の出来自体とはあまり関係ないことがありますが、とにかく伝記というジャンルが僕はあんまり得意じゃありませんね。成功譚は特に。人の偉業自体にはあまり興味がないせいか。偉業をなした人物には興味があることは多いんですけど、要はキャラクターの魅力ということになってしまいます。
  • あとは、『42』でも思いましたが、都合よくエピソードがつながってくれなかったり、フラグが成立しなかったりと、何かとかゆいところに手が届かないからかも。その上で、現実はそううまくいかないと言われたら、“if”を考える余地もありませんし。
  • とはいえ事実は創作より奇なりというか、むしろ創作だと避けられるような都合のいいことや理不尽にビターなことも現実にはあるんだぜ、というのが本作を観て一番に思ったこと。創作の方がむしろ「ご都合主義」という言葉を揶揄として受け止める上に、その意識から逃げられないんですよね。
  • 海の見せ方がなんとなく物足りないところ。ジンベエザメが至近距離を泳いだりサメを吊り上げたりと発光する深海生物(あれ何てやつだろう)に遭遇したりと海的に盛り上がるシーンはあるものの、なんか「うみはひろいーなーおおきーなー」て感慨がいかだを遠くから映すところぐらいからしか感じられない。というかそういう“おおきさ”の話ではなく。
  • いかだにカニがずっと乗ってきたあたりは好きですけどね。自分が生物多様性とかの専攻じみたところにいたこともあるので。


コン・ティキ [DVD]

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9月1日『サイド・エフェクト

原題:Side Effects
2013年/アメリカ/106分/映倫:R15+
(あらすじ)幸福な生活を送っていたエミリーは、夫がインサイダー取引で収監されたことをきっかけに、かつて患ったうつ病が再発。精神科医のバンクスが処方した新薬により、うつ症状は改善されたものの副作用で夢遊病を発症し、やがて無意識状態のまま殺人を犯してしまう。主治医としての責任を問われ、社会的信頼を失ったバンクスは、エミリーに処方した新薬について独自に調査を開始。やがて衝撃的な真実にたどりつく。(映画.comより)

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オススメ度:★★★★☆

  • まともなミステリ・サスペンスを久しぶりに観たというのもありますが、これはとにかく面白かったです。向精神薬の話題が自分の中でちょっとホットだった折でもあったのですが、精神科における“薬”とそれにかかわる人々の社会的にシビアな関係性、責任の所在が問われた時の危うさみたいなものがうまく話に絡んでて、サスペンス的な興奮の裏にじわじわ来る怖さがありました。良作と言って言いすぎることはないでしょう。
  • 日本はまだ抵抗のある社会かもしれませんが、アメリカなどはサプリに鎮静剤にと、自分を保つために薬に頼るのは当たり前のようですからね。薬というか合理的で倫理的なら結構何に頼ってもいい。恥ずかしいとかが少ない。自分で責任を負う以上他人がとやかく言う方がおかしいという風潮が強い。ただそうやって一人で足を前に出すことが多い分、システムの穴を突いて掬われることも多いと。
  • 医者を敵に回すと怖い、というのもあるのがまた面白い。いや現実で考えちゃっても怖すぎるからこそフィクションでも下手なホラーより怖いんですけどね。とはいえバンクスさんが一生エミリーの主治医でいる覚悟をするほど怒り心頭なのも納得はいきます。


サイド・エフェクト [DVD]

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9月2日『ドリームハウス

原題:Dream House
2011年/アメリカ/92分/映倫:G
(あらすじ)主演はダニエル・クレイグレイチェル・ワイズ。家族との時間を大切にするため仕事を辞め、郊外の家に引越したウィル。しかし、その家ではかつて、父親を除く家族全員が惨殺された忌まわしい事件が起こっていた。最初は気にしていなかったウィルだが、子どもたちが幽霊のようなものを目撃したり、不審な男が家の周囲に現れたりと、不気味な出来事が相次ぐ。やがて、過去の事件の犯人がまだ捕まっていないことを知ったウィルは、独自に調査を始めるのだが……。(映画.comより)

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オススメ度:★★★☆☆

  • ネタ自体がアリかナシかで賛否の別れそうな内容ではありますが、個人的には普通にアリ。心神喪失した殺人者が精神病院のマニュアルに沿って退院できたとしてもそこからどうなるか、のやや突っ込んだところを上手く利用している点が面白かったので、そもそもアリかナシかなんてどうでもいい感じです。それに合わせた伏線の張り方も秀逸。とはいえサイコスリラーかサイコサスペンスというジャンル意識はあらかじめ持っておいた方が無難かも。
  • ネタバラシのタイミングを中盤に持ってくる点も新鮮。似たような作品が『アンノウン』といういい思い出じゃないのしかありませんが、本作は、ネタはあがったけどさてどうするか、の部分がわりとしっかり練られていますし、ジャンルブレもありません。派手な展開を期待しなければ安心して楽しめるでしょう。
  • オチ2段目のアリやナシやもあるのかしら。本作は純粋に不運としか言いようがないからこそミステリー的に面白いんじゃないかと思うんですが。あそこから今さら主人公の瑕疵に立ち返られても、大味な毒気はあるかもしれませんが、コンパクトな本作にはそぐわない気がします。
  • そう、本作はそもそも物理的にも内容的にもコンパクトでライトな作品だと思います。そしてその路線で充分面白いしきれいにまとまっている。上から目線にならずまったり観れば損はしないと言ったところ。
  • とはいえうちの弟は2段目のオチがつらすぎて直視できなかったとか。自分に責任がない分避けようがなかったと言えてしまう悲劇には、やりきれなさすぎて憤然としてしまうそうです。


ドリームハウス [Blu-ray]

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*1:すでに取り上げた作品は当然抜いてあるが、今日ここに書いた作品をもうこのブログで取り上げないというわけではない。半分は備忘録代わり。