case.728

映画とお人形ばかりで恐縮です

2014,1,7 AM1 【映画録19『悪魔を見た』『ビー・デビル』『パシフィック・リム』『ファミリー・ツリー』】


ええと、2日は終日お出かけしてて映画観る暇なんてなかったんですけど……
気がついたらほぼ1日1本のペースで観てますね。
どんだけすることないんだお正月(・x・;)

今日はさすがに休肝日ならぬ休眼日にしましょう。
結局モニターに向かってるので言ってみるだけなんですけど。

また4本慌てて今から書くので【映画録18】と同じく5段落縛りです

case.728の映画録は、ネタバレは「もしもあったらごめんなさい」でお送りします。

1月1日『悪魔を見た』


  • 元日とは何だったのか。縁起もクソもあったものじゃありませんが、しかし演技は素晴らしかったです……じゃなくて、なんやかんやでここ最近感情移入ができてシビれるような人間味の濃い映画ばかり観てましたし、ここらでエンタメ性すらオマケじみた情け容赦のない残酷映画でもと思いまして。そういう方面に関しては、『オールド・ボーイ』以来韓国映画(not韓流映画)が今どこよりも信頼できると思ってもいます。そしてこの『悪魔を見た』は同時期公開だった『アンチクライスト』、『冷たい熱帯魚』と並べられる2010年三大「衝撃問題作」の一つ。お正月だからって観ないわけにはいきません。はい、まったく言い訳になってませんね。2014年の映画録はクソ縁起でもないスタートです(朗笑)
  • いやしかし、その三大の中で一番酷かったのはこれだ、と思いましたね。もちろん出来が悪いという意味ではなく、どうしようもない残酷性において。
  • アンチクライスト』において残酷というのは描写の話で、むしろ人間の普遍的な怖ろしさを表現したかったのだと思いますし、『冷たい熱帯魚』は主人公にあまり同情の余地がない上に、そもそもコメディタッチでラストがちょっとアレです。
  • 対して本当にただのクソのような殺人鬼と復讐の鬼になろうとした男、双方のどうしようもない痛みとむなしさを遠慮容赦なく描き出していった本作は、映画そのものが登場人物に対してこの上なく残酷です。エンドロールへ至る頃には途方もない失望と虚脱感に襲われます。『冷たい熱帯魚』で吹越満が最後に「生きるってのは痛いんだよ!」って叫んでますが、本作の方がよっぽどそれを体現してしまってるんですよね、しかも無言で。こっちにもそれが伝わってくるんです。何もかもがめちゃくちゃ痛い。
  • ある意味これって最高に景気のいいスタートだったともいえるんじゃないでしょうか(笑)。のっけから旧作観てる時点で、うちは年が明けてもあいかわらずなんだなあという感じです。2014年も忌憚のない映画観賞ライフといきましょう。

1月1日『ビー・デビル


  • 元日とはry ホントに縁起もクソもないですね。いやしかし演技は素晴ry 2010年の三大バイオレンス映画を四大と言い換えた場合に入るのがこの作品だそうです。実はそうとは知らずに上記の『悪魔を見た』と一緒に借りたんですがね、こうなるともう一周まわって僥倖ですよ。いやー、これも酷かった。前半が特に。もちろん映画的にいい意味で。
  • ある意味「三大」より観やすい内容と観せ方でしたね。話が分かりやすいですし、残酷さにおいてはそれによって主人公(ボンナムの方)に感情移入ができて一緒に怒りを覚えられる作りでした。特に「酷い」と言った前半なんかは島の人間に殺意しか湧きませんでしたし(あのチンピラにも)。
  • おかげさまでしかし後半はバイオレンスながら痛快でした。梵南無さん強すぎ。義弟の体どこいったん?夫に突きつけられた包丁舐めはじめたときはさすがにぞっとしつつ笑いましたね。しかも夫感じてましたし。いえ、彼も閉鎖社会での環境的去勢の危機に喘ぐうちに変態性が極まっちゃった部類みたいだったので、一度も勃たなかった相手にあんな魔性の痴態を見せつけられた日には生来感じたこともないエクスタシーが脳内を見舞っちゃったんでしょう、きっと。理解できなくはありません(笑)
  • 最終的にはドラマティックな愛の物語に。なのでことのほかエンタメ性において完成度も高く充実した内容となっております。ただそれすなわち毒気を抜かれてしまうということですからね。物語としては収まりもよく据わりもいいのですが、優等生であるがゆえに中途半端なインパクトと言えなくもない。世間評価が割れているのも頷けます。ぼく自身、あのラストでちょっと映画そのものの印象が弱くなったように思いますし。
  • いやしかし、映画の歴史上どこを探しても味噌まみれの死体なんて……。

1月5日『パシフィック・リム


  • レンタル開始したばかりの話題作ですが、元の在庫自体も多かったおかげか、運よく希望通りにゲットできました。公開中に劇場で観られなくて、評判を聞いてもおうちで観て面白い映画かなあとレンタルは少々敬遠していたのですが、弟によるとおうち観賞でも充分面白かったということでしたので。
  • とりあえず、なるほどな、という感想でした。さすがに前評判を聞きすぎたせいか、それらを確認するような作業が半分になってしまった感は否めないのですが。まず実写ロボット映画としての絶賛、それから脚本はツッコミどころのある脳筋、という2点について、どちらも得心がいった次第。
  • うーん、やっぱり劇場で観たかったですね。職業病もありますが、さらに映像の迫力やクオリティで押し流していただけないとなると(しかも自分にはロボット愛というほどのこのジャンルへの思い入れがありませんし)、脚本やキャラクター造形の方に目が行くわけで。ヘルボーイや永遠の子どもたちのときも思いましたが、どうもギレルモ監督のキャラ造形には粗さが目立ちます。
  • 2時間という映画の尺の中に納めるにあたってのドラマの配分みたいなのもアレですし。主要ペア内のドラマが記憶共有のおかげで割愛できるにしてもまだ「ドラマを描かなくてはいけないキャラ」が多すぎたように思えます。脚本にツッコミどころがあるのもそれに起因したことかと。シリーズものとしてやってくれるならまだ期待が持てそうだったのですが、やりたいことをやり切っちゃった感もあるしなあ……(´`;)
  • しかしながら映像美やその細部へのこだわりには、何一つ拍子抜けさせられることなく、こちらの期待通りにやってのけてくれたギレルモ監督。『GODZILLA』以降はびこっていた、海外の怪獣映画へ不信感と「やっぱりCGはダメ」という歪んだ特撮信仰を払拭するには充分すぎる成果だったのではないでしょうか。

1月5日『ファミリー・ツリー


  • 映画で家族モノのコメディドラマといえばドクタードリトルが思い浮かぶのですが、思えばそんなテイストの洋画は久しぶりに観た気がします。いえ、ジャンルはコメディに入ってても内容は終始まったく笑えないくらいめちゃくちゃ重苦しかったのですが。これの予告編にはいい意味で騙されました。

  • 悪い意味でも。↑どうでもいいところでもあいかわらずの大嘘つきなんですけどね。「ハワイ最後の自然が〜」のくだりなんか真っ赤なミスリード
  • 人の死なんかを巡ってお涙ちょうだいされるのが心底嫌いだという人にまで強くお勧めはできません。が、それでもちょっと覗いてごらんよと言いたくなるくらいに素晴らしい構成力。というか憎たらしいくらいのワザマエの応酬です。等身大のキャラクターを魅力的に見せる術をこの映画の製作者は知り尽くしているとまで思わされました。それをさらに映像にしてみせた腕前に本当に驚かされます。「ぶち殺したろうかこのクソガキャア」という第一印象(イヤン、口が…)だったはずの登場人物が展開と共にみるみる憎めないキャラとなっていったのには思わず笑ってしまいました。
  • なんとなく邦画の『アルゼンチンババア』を彷彿とさせる本作。外連味ではあれに劣るどころか、なんというかカンヌの芸術思考映画なんじゃないかってくらい、舞台がハワイということ以外はたいへん凡庸として凡作然とした全体像なのですが。その感情移入の導き方において比肩するもののないクオリティを見せつけてきます。お涙ちょうだいの手練手管も極めればここまでになるのかと、そういうのが嫌いな方々も一揃いの感嘆を得られるのではないでしょうか。また憎たらしいことに、ハワイの見かけのおだやかな雰囲気と、同じくハワイアンテイストなウクレレ響くのんびりとしたBGMが、話の重苦しさをやわらげながら引き立てるという超絶技巧を呈したりもしています。
  • あとおねえちゃんがエロい(熱弁)

書く量を制限した以上当たり前ですが、内容をまったく紹介しない記事というのはちょっと懐かしくもあります。
ていうかこれじゃあいつまでたっても書き方のテンプレが定まりませんよね(笑)

2014年、プライベートでは引き続き転機の年、心機一転の機も控えておりますが、当映画録はあいかわらずの、気の向くままにです。