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case.728

映画とお人形ばかりで恐縮です

2014,1,25 PM10 【石元泰博・フォトギャラリー】

初めての月例模試の結果が散々だったのはまあいいとして(よくはない)

午後からの空いた時間を利用して県立美術館へ。

先週日曜から公開していたコレクション展「石元泰博・フォトギャラリー」を観覧してまいりました。

本当は公開初日に行く予定だったのですが、間違えて先週は土曜日に行ってしまいまして。

先週なら天気もよかったのに……。


記事にはしませんでしたがそっちはそっちで日本光画会の「第48回光展」をやっていたので、無駄足ではなかったんですけどね。
それの最終日と石元ギャラリーの初日が重なっていたので一石二鳥を狙ったのにしくじっただけという話。

普段写真を含め美術の展示といえば作家や流派単位のものばかり目するからでしょうか。
一枚一枚趣向も傾向も似通わないオムニバスな写真展というのは新鮮で面白かったです。

高知県の人が撮った写真や、逆に高知を撮った写真が入賞していたりもして、やっぱりそういうの見かけるとうれしいですよ。

せっかくなので展示作品の作品集を探したのですが、展示が終わってしばらくしないと出ないようです。それまでにうっかり忘れそうですが、どうやらちゃんと県が後援しているおかげで第49回の展示も県立美術館でやっていただけるようです。作品集を注文するのはそのときでいいかもしれません。


さて、前置きというか余談の先に来て長くなりましたが本題、「石元泰博・フォトギャラリー」の方。

いやしかし、光展と別の日に観に行って正解だったかもしれません。
ごっそり持っていかれましたから。体力とか精神力とかにダメージを受けたとかそういうことではないんですけど、ぼくまだあすこへ行っちゃいけなかったんじゃないかしら。

ちょっと次元があの、異次元?と、あえて安っぽい表現を使っておかないと滑ったとき痛みが抑えられなくて死ぬ領域。
言葉がジレンマ化するのは文章芸術以外の芸術に触れる以上不可避のことだといつも思っていますが、写真一枚で言葉も使わずに“永遠について話”をされるとは思ってもみませんでした。

石元泰博氏自体は、例によって不勉強者な上に最近写真に興味を持ち始めたばかりの自分にとっては、高知で育ったという共通点のほかは縁もゆかりもない写真家さん。
主に白黒写真を撮る人で、アメリカ生まれ日本育ちアメリカ逆渡米歴もある日本人なためか、日本人離れした撮影センスで海外でも評価されている――
くらいのことはWikipedia先生に教えてもらい、特にセンス云々のところがどういうことか、なんとなく面白そうに思えたので実物を見に行くことに決めた次第です。それで、画像検索なんかじゃない本物を見ればぼくでもぼんやりとくらい理解できるかしら、なんて軽く考えたりもしておりました。

脳が緑色の汗をかいてたような気がします。

頭の中空っぽにして観たときでも格が違うんですよね。
展示されていたのはすべて、晩年の作品だという「雲」「水」「雪の上の足跡」「行き交う人」「路上の落ち葉」「路上の潰れた空き缶」の6パターンのいずれかに当てはまる、そのパターンの名前通り、読んで字のごとくな写真ばかり。しかも白黒。
なのですが、あれもまた何と言えばいいのでしょう。おそらく“質感”とか“触感”とかいう言葉で表せそうな感覚が、あくまで白黒の静謐で無機的なな写真という媒体からめちゃくちゃ生々しくにじみ出てくるんです。それも“被写体が実際に持っている以上の質感”が。

いや全然ネガティブな意味じゃないのでとんでもなく言い方が悪いとは思いますがしたたかに気持ち悪かったですよ。あるいは得体が知れないとか、おどろおどろしいとか、いやいやもうちょっときれいな言葉がないものかとは思うのですが。
しかしなるたけ具体的に表そうとするとどうもそんな感じにばかりなってしまうのです。いやさ、これでも正直悪あがきという始末でして。あんな「写真」は一度として見たことがなかった。

で、そんなもうすでにちょっと訳がわからない作品でもって先述のとおりですよ。哲学してくるんですか?(疑問形)

Yes.

路傍の落ち葉を突きつけながら悟りを開けって迫ってくるんです。あるいは開けって命令じゃなくて強制的にこじ開けに来る。先生、ぼくまだ心の準備があ・あ・あ・あ!

またその哲学が絶対「言葉」の形で表せないっていうのが、経験則としても知ってるし直感的にもわかるんですよね。
わかるし知ってるんですけど、でも見ちゃう。その「写真」と自然に相対しちゃうんです。
だって相手は葉っぱや空き缶ですもの。同じ目の高さにそいつらが取り上げられてるんですよ?
でも相対しちゃってるうちにも、またどんどんわからなくなっていく。やばいやばいこんなの付きあってられない、早く次へ行かなくちゃいけないって、思う以前にこちらは知ってるんですけど、やはり固まっちゃう。

写真1枚でそうなるって言いましたけど、展示は100点ありますからね。ようよう次へ移れてもその次でまた止まる。それが100点。
そりゃもうお腹パンパンです。そして反対に頭の中はすっからかんでした。ごっそりです。

そりゃあ買わざるを得なかった作品集。

ただしこちらはフィルモグラフィのダイジェスト版のようなものです。ペーパーバックで税込1800円。

今回の『刻(とき) -moment-』展の展示・未展示作品をまとめた大判ハードカバーの写真集は、税込9800円というのを見てギャアアアアってなって思わず二度見三度見四度見くらいしましたがついに値下がりしなかったので手が出せませんでした。確かに展示品と遜色ないレベルのプリントと立派な装丁でしたが……。

それでもやっぱり手元に欲しいんですよね。たぶん積極的に観たくはないんですが、そういう拒絶反応があるうちは色々と頑張れるような気がしますし(なんだそれ)

と思って探してみたらやっぱり密林にありました。ああ、早くこいこい初任給。そういえば今日の月例試験は初めてとはいえ散々な結果ry


刻(とき)―moment

刻(とき)―moment